以前、「鍼灸治療後の“好転反応”と思われる状態について」という記事で
まれに好転反応と思われる状態になることもあるかもしれないけれど、
そういう反応はなければない方が望ましいのではないかという旨を述べました。
何度でも言いますが(^_^;)、
好転反応(いわゆる瞑眩【=めんげん】現象)はない方がいいのではないか?
症状が好転するのに、そういう反応は不要なはずです。
不要なはずなのに発生してしまうところに難しさがあるのです。
さて、
弦躋塾**塾長・首藤傳明(=しゅとうでんめい)氏著の『首藤傳明症例集~鍼灸臨床50年の物語』(医道の日本社刊)に「刺激量とめんけん(瞑眩)現象」という項目があります。(**2017年1月追記:弦躋塾は2015年に終了しました。)
このページは質問に答えるQ&Aというコラムで、
「刺激量と・・・」という項目は「北米東洋医学雑誌」に掲載された記事から作成した、
とあります。
さて、首藤氏は、鍼灸の治療刺激と患者さんの感受性の関係の原則を、
例外もあるがとして一般論を提示し、
さいごに瞑眩に対する考え方を述べています。
質問者(北米で鍼灸施術に従事する人と推察される)が
症状が一時的に悪化することは、好ましいことであると多くの
アメリカの学校では教えています。
これは『ヒーリングクライシス』または『治癒の法則』と呼ばれ、
患者さんには「治る前に症状が悪化する」と説明されます
(320ページ)
と言っているのに対し、こう答えています。
日本でもこういう症状の説明として、「めんけん現象」または
「めんげん現象」という言葉が使われます。
一時悪化した後よくなるというものですが、はたして、それは良いことなのでしょうか。
(323ページ)少しずつ好転する、途中症状の停滞時期はあっても、
悪化することなく治癒するのが患者さんにも術者にもベストの方法だと信じています。
(324ページ)めんけん現象はないのがよい。そのためには、刺激の量を最小で最高に効かせるのがよい。
その手段として、てい(金ヘン+是)鍼***、接触鍼、超旋刺、浅刺などがよい、
というのが私の考えです。
(324ページ)
***てい鍼(=ていしん、(金ヘン+是)鍼)は「刺さらない形状」をしたはり用具のこと。
主として皮膚に接触、回旋などをして施術をおこなうもの。
接触鍼、超旋刺は皮膚に「刺さる」形状をした鍼を、
ほとんど刺さらないような手技で施術をおこない、
浅刺は はり を浅く刺す手技。
やはり、めんげん現象は望ましくないものであると。
私もそう思います。
(その道の大家がこういってるから、正しいのだ...とあたかも権威づけしてるみたいで
嫌ですが(笑)。ここは、めんげん現象はあまり好ましくないものであって、
(たまたま)首藤氏もこういっているのだ...と受け取って頂ければと思います(笑))
私たち鍼灸師にとって、“めんげん問題”は研鑽を積んでいくべき
一生の課題だと思います。これからも瞑眩現象ができるだけ
でないような施術を目指したいと思います。
たとえもし、それが出現したとしても、対処することは
可能ですので、心配なさらずにご連絡いただければ幸いです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
お読みいただき誠にありがとうございました。
【北九州市八幡西区のはり灸】よつもと鍼灸院
「ホームページを見て・・・」 とお電話下さい。
電話:093-611-2374
メールフォームはこちら
施術時間:月~金 9:00~12:00、14:00~17:00
土曜午後は14:00~16:00、木曜午後休診
定休日:日・祝日
(要お問い合わせ)
〒807-0074
北九州市八幡西区町上津役西3-2-14佐藤ビル1F