先日のこと、ある患者さん(60代女性)がこられて
いつものように、様々な症状を訴えられました。
いつもと違っていたのは、その声でした。
だいたいが低めのお声なのですが、その日は声が枯れて
とても出しにくそうにされています。
「数日前、声を張り上げ(続け)ることがあって。
今日の午前中、とても激しく咳き込んで、こんなになってしまいました。」
とのこと。
他の症状に対する施術もおわって、最後に、
お灸(直接灸)を左上肢の臂臑(ひじゅ)と言う経穴(つぼ)
にすえました。(注)
以前の経験で、しばらく経ってからその効果が現れた
ということがあったものですから、そのように伝えました。
「ああそうですか、わかりました。」
...という声が、普通ですやん(笑)。
患者さんも「あれっ」という感じでした。
このところ、ワンタッチ灸の効用をさんざん謳っていますが、
直接のお灸はもちろん、効くのです。
(どちらもお灸ですから、当然といえば当然ですが)
(注)臂臑というツボの効用として嗄声(声がれ)を挙げている人も
多いようですが、私がいちばんはじめに接したのは昭和の名灸師とよばれた
深谷伊三郎氏の著書でした。
※もちろん、〈すべての嗄声(=させい=声がれ)にお灸が効果的である〉
などと言うつもりは全くありません。
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