はじめに
こんにちは、よつもと鍼灸院・四元です。
私は北九州八幡西で18年以上にわたり患者さんの症状に向き合ってまいりました。
あなたのそのお悩み、わかるつもりです。
顔面神経麻痺でお悩みですか
・お顔の表情が動かしにくい
・お顔に違和感がある
・水を飲もうとしたら、片方の口角から水が漏れこぼれてしまった
・口笛を吹く動作ができない
・前額(ひたい)のシワ、できかたが変(片方だけができない)
・顔面の(右左の)一方だけが弛緩(しかん=緊張がなくなった状態)して、もう片方に引っ張られてしまう。
・・・このページをご覧になっているということは、あなたは顔面神経麻痺でお悩みなのでしょうか。あるいはご家族がそういった症状でお困りなのなのかもしれませんね。
(注:例示した上記の最後の一文、弛緩した側が麻痺を起こしています)
顔面神経麻痺とは
「顔面神経麻痺」は‘顔面神経痛’などと俗称されている顔面の神経痛(本来の名称は三叉神経痛)としばしば混同されます。しかし、顔面神経麻痺はお顔の表情をつくることに違和や困難をともなうという主症状の状態なのです。
脳の中枢から外に分布していく神経のうち、その7番目の神経が顔の表情筋をうまく動かすように働きますが(この神経を顔面神経といいます)、
この神経が麻痺を起こすため、表情筋がうまく動けなくなってしまうのです。
顔面神経麻痺には中枢性と末梢性があります
顔面神経麻痺には
脳内にその原因がある中枢性のものと、
脳の外側に原因が求められる末梢性のもの
があります。
中枢性のものは脳血管障害等の合併症が考えられます。(したがって現代医学の医療機関を受診することが必要です。)
末梢性のうちの大部分がベル麻痺と呼ばれるもので、ウィルス性だと考えられています。(鍼灸治療はこのベル麻痺に最も効果を発揮します)
ベル麻痺より少ないのですがラムゼイハント症候群は幼少期にかかった水痘(みずぼうそう)のウィルスが神経を犯します。顔面の麻痺の前に耳、口の中に帯状泡疹(ヘルペス)を生じたり、めまい・耳鳴り・難聴がおこったりします。
その他割合は少ないですが、外傷性顔面神経麻痺があります(ビートたけしさんが交通事故後に顔面神経麻痺になったことは有名ですね)。
中枢性麻痺と末梢性麻痺の見分け方
・両方の前額(ひたい)にシワ寄せが完全にできる・・・・中枢性
・麻痺した側の目を閉じることができる・・・中枢性
・麻痺があまりひどくない・・・・・・・・中枢性
・同時に上肢(手)や下肢(あし)の麻痺などが出現する・・・中枢性
'(これらに当てはまるものがある場合は一刻も早く病院の受診をお勧めします)
・麻痺した側の前額(ひたい)にシワ寄せができない・・・末梢性
・麻痺した側の目を閉じることが不完全になる・・・末梢性
・目を閉じると眼球が上に向いてしまう・・・末梢性(ベル現象といいます)
・目を閉じると白目が残る・・・・末梢性
・口笛が吹けない・頬をふくらませにくい・パ行の発音がしにくい・・・末梢性
顔面神経麻痺に対する現代医学の診療(治療)
顔面神経麻痺に対する現代医学の治療は服薬、リハビリテーションがあります。
末梢性麻痺の場合は予後は良いといわれますが、早期に治療を始めるとよいようです。(ベル麻痺は自然治癒することもあります。しかし放置すると後遺症が残ることもありえます。)
顔面神経麻痺に対する当院の治療~できるだけ早期に治療開始を
現代医学においてもそうなのですが、鍼灸治療においても早期に治療を開始することが大事です。症状が出て数ヶ月以上経てからですと、改善が困難になります。
鍼灸は顔面の血行をよくして表情筋の緊張をほぐし、麻痺を回復させます。またくび肩の凝りを改善すれば顔面の麻痺を治すことにつながります。
理想的には、当初連日治療を行い、二週間目くらいから週に二三度施術します。早期に治療を開始してこれを続ければかなり改善が見られるはずです。
(実際はお灸によるセルフケアなども併用していただきますので、ここまで施術は頻繁ではありません)
なお発症直後は顔への直接の強い刺激を行うことは避けたほうが良いようです。症状が安定してくると(2週間すぎるくらい)大丈夫です。
受療される際の意識の持ち方
顔面神経麻痺の予後(症状の経過がどうなるか)に対しては、気疲れ等精神的なストレスは良い影響は及ぼしません。
逆に「必ず治る」と思うことこそ、顔面神経麻痺の治療を受けられる際の心構えの基本ではあります。
脳内の症状を司る部位(=症状の「増幅装置」(笑))を活性化させないよう、症状そのものに意識が過度に向かないようにしていくことも大事なことであると思います。