◆書籍『北九州の逆襲』を読みました
1 出身は福岡です
東京で仕事をしているとけっこうな高確率で出身地を聞かれます。
・・(略)・・
では答えます。「福岡です」
・・(略)・・
「ん?」
ここで反応するのは福岡のことをよく知っている人でしょう。
・・(略)・・
私の出身は福岡県。これは間違いではありません。ですが、福岡をよく知る人に
とってこの答え方はとても曖昧。特に相手が福岡市内出身の人だったりすると、さあ大変です。
・・(略)・・「北九州です」と答えた途端、、相手の態度が一変する可能性もなきにしもあらずです。
・・(略)・・
「出身地は福岡」という答え方には北九モンにとってある種の“逃げ”が含まれているんです。
福岡県以外の人から見ればどっちでもいいことなんでしょうが、こと福岡市民、北九州市民にとっては
わりと重要な問題なんですね。(16ページ~18ページ)
北九州に関する書籍とか記事など、多くない、いや少ない気がします(気がするだけかな?(笑))が、このたび書籍『北九州の逆襲』(葉月けめこ著・言視舎刊)を読みました。
著者・葉月けめこさんは(本書のプロフィールによれば)北九州市戸畑出身で劇作家・放送作家・作詞家・フリーライターでテレビ・ラジオ・雑誌で活躍されているそうです。(不覚ながら、存じませんでした)。
【ちなみに私の立ち位置を申し上げますと、旧小倉市(現、北九州市小倉北区)出身で現在北九州市八幡西区在住です】
存じ上げなかったんで、Google検索してみました。すると、大阪出身のライターさんとの対談記事がヒットしまして、読んでみると、葉月さんは「福岡出身」と紹介され、ご自身も福岡出身を否定されていません。あれ???と思ったんですが、
本書の第一章 の1にそういうことか、という記述が出てきました(冒頭の部分)。
なるほどね。私は北九州以外で仕事をしたことがないので、
出身は「北九州です」と平気で言いますし、何の問題も生じたことはありませんが、
遠隔地で仕事して説明するとなると、たしかに出身県を言う方が面倒なことは生じないよなあと思います。
それに福岡市と北九州市ってけっこう離れてるし、その説明も鬱陶しいし(笑)。
◆ここで本書の目次をご紹介します。
Ⅰ 北九モンの真実
第1章 北九州市と福岡市
第2章 解いておきたい、その誤解
第3章 北九モンの正体
第4章 噂の検証Ⅱ イケてるまち北九州。その歴史から
第5章 北九州・旧五市の特徴
第6章 北九州をささえた“黒いダイヤ”Ⅲ ドラマティック・シティ北九州
第7章 誇るべきまち北九州
第8章 デキるまち北九州
第9章 ドラマのあるまち北九州Ⅳ
第10章 ゆとりのあるまち北九州
地元愛がつまっていますね。
「逆襲」ってありますけど、これ、北九州や北九州在住者・出身者の実像はこんなんですよと
誤解を解くべく記述している本です。
◆どんな人におすすめするか...
地元愛が詰まってるわけですから、もちろん北九州在住の人。
北九州出身で他地域在住の人。
福岡県内在住の方。
その他の地域の方...ち全部やん(笑)。
実は遠くの地域にお住まいの方に読んで頂きたいんです。
北九州在住の私が遠くの地域をひとまとめにしか見ることができていないように、
おそらく、遠くの方も北九州に同じような感覚をおもちではないかと思いますから(笑)。
参考:『北九州の逆襲 北九モンの心意気とドラマティック・シティの真実』(葉月けめこ著、言視舎刊)
セブンネットショッピング販売ページ
◆以下、本書の記述に触発された私の意見。要するに付け足しです(笑)
◆福岡≠北九州(北九州は福岡県の一部ですが...)
地元を語るとき、なぜ人は熱くなってしまうのでしょう(これ、私だけ(笑)?)。地元一般ではなく、あまりメジャーに語られることのない「場所」はとくに人を熱くするのかもしれません。北九州なんて最たるものではないかと。福岡県を代表して語られるのは圧倒的に福岡市だし、言葉でも博多弁ですし(笑)。
確かに北九州は福岡県の一部です。でもそれは福岡市や博多と同じという意味ではありません。同じだという扱いを受けてきた(と少なくとも思われる)ことが、北九州人(北九モン)にとって大きなストレスだったんですね、実は。
...っていうことは、おそらく、他の地域のかたにとっては意味のないこだわりであるのだろう、ということは推測できます(^_^;)...。
◆五市合併した北九州市
門司は港町、小倉は城下町(武士と町人の街)、八幡と戸畑は製鉄の街、若松は石炭積み出し港..それぞれ歴史があって、ばらばらな個性であるかに見えます。
その五市が「対等合併」してできたのが北九州市です。ですから、旧五市のどこかの出身者を北九州人の代表のごとくあつかって、「北九モンは〇〇」だと決めつけることはできないのですよ、真面目な話。
かつてそういう北九州本を読んだことがありますが、全体を信用できなくなってしまった(笑)。
◆博多弁とは違う北九州弁
言葉については「難しいな」と思うところがあります。
だって、同じ地区にいても、個人個人によってそれぞれ違うし、ホント十人十色ような感じだし。北九州弁の特徴として「●●しとうよ」「●●ちゃ」という言葉を使う...といっても、それは最大公約数を示すに過ぎません。
それでもそのことにおそらく意味があると思うので、あえて言います(笑)。
「ばい」や「たい」は“基本は”使わないですが、北九州の中でも、旧筑前の國と隣接している場所(若松・八幡など)ではあるバリエーションで使います。
私自身は旧小倉市(現小倉北区)で生まれて、小学校5年生の時に両親の仕事に伴って、八幡西区に転居しました。
地元の公立小学校に行ったときには、ある意味でカルチャーショックを受けました。(「ちゃちゃタウン」から「ばいたい」タウンへ(笑)。「ちゃ、ちゃ」ばかり使う街から、それだけでなくて「●●ばい」「●●たい」も使う街へ。)
要するに言葉のバリエーションが拡がった感じです。
◆私の家の言語事情
実は私の父がもともとは福岡の人なので、家の中では博多弁っぽい雰囲気のことばが飛び交っていたような気がします、今思えば。母親は違っていたので若干“中和”されていましたが。(正確に言うと、父は佐世保生まれで幼少期に博多に転居しています)
家から外に出れば、そこは小倉弁の環境でしたから、「ちゃ」と「ばい」「たい」がない交ぜになっているという八幡西での言語環境は衝撃というか新鮮でした。
だから、本書第2章の「北九州では「ばい」も「たい」も「よか」もほとんど使わない」という記述にたいしては「そうやなかろうもん!」っと突っ込みを入れてしまいました、使うんだってば(笑)。私の家庭が北九州の中では特殊な部類だったのかもしれませんが、、、。葉月さんが住んでいた戸畑地域では、おおくのひとが使わなかったのでしょう。
本書にも出てきますが、インスタントラーメンで「うまかっちゃん」というのがあるんです(他地域の方はおわかりにならないかもしれませんが、少なくとも福岡県内では流通しています)。「うまかっちゃん」というのは何のことなのかなあと長年思ってました。
博多弁で「おいしいんだよ」という意味らしい。たしかに北九州弁だと「うまいっちゃ」になるよなあととても納得しました。
いや勉強になります、ありがとうございました。
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お読みいただき誠にありがとうございました。
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